2006年6月のアーカイブ

ドラマ補遺-第十話

2006年 6月 17日

全国のドラマ「クロサギ」ファンのみなさん。一瞬とはいえお目汚しをしまして、失礼いたしました。ご寛恕くださいませ。

さて、オーラス前の今回は「内職詐欺」。内職を利用した詐欺はかなり多くて、逮捕者も出ています。基本的には約束や条件を守らず、追加で金を奪い取っていく形がほとんどです。子供が小さいなどの理由で、内職でしか収入を得られない主婦等を対象にしている点で、金額以上に悪質な詐欺です。ドラマでは封筒宛名書き商法を取り扱っていました。これは古くからある悪徳商法で、現在も続いていますのでくれぐれもご注意されますように。他にもSOHO詐欺も目立ちます。パソコンを購入させ、入力の仕事をするのですが、あれこれクレームをつけることで支払いは行われず、最終的には逃げてしまいます。モニター商法も混じっていて、定期的にレポートを提出するだけで高収入というのもあります。例え、一流新聞や雑誌に広告されていたとしても、それは何の保証にもならないこと、お忘れなく。

黒崎の究極の敵である御木本が出てきましたね。春日は御木本がやっていた詐欺の劣化コピーを行っています。詐欺の元ネタを考えたのは桂木ですが、実行者は御木本であり、その配下に春日がいるわけです。桂木が春日を喰わせようとするのは、「暴走したシロサギへの制裁」で、これは桂木が黒崎を使う時の重要条件のひとつです。どんなに見事な詐欺の手口を考えても、それを劣化コピーされてしまえば、摘発されることになり最終的には元締めとも言うべき桂木の身に危険が及びます。もちろん、シロサギがドジを踏んだくらいで窮地に陥るほど桂木は甘くないですけどね。

ドラマではさまざまな謎が解き明かされていきます。早瀬は名前以外はドラマオリジナルといってもいいキャラクターですが、その出自に秘められた謎は重かったですね。そして、ついに黒崎に逮捕状。摘発の難しい犯罪である詐欺、逮捕状を取るためには証拠が必要です。その証拠を提供したのは…新川でした。第一話を思い出しますね。

いよいよ、来週は最終回。通常よりも五分長いわけですが、どんな濃い内容になるのか本当に楽しみです。そして、結末も。一視聴者としてみなさんと一緒に楽しみたいですね。

ついでに。開き直って告知しておきます。今夜と来週金曜深夜、R30でクロサギのナビゲーターをやっています。死ぬほど恥ずかしいのですが、ドラマが放送されてしまった以上、もう…いいです(笑)。

あっという間の一週間

2006年 6月 17日

気づけばもう金曜日。今週はあれこれと仕事や用事が重なって疲れました。ま、今日でだいぶ解放されたので、いつものペースに戻れそうです。

月水金はテレビ関係。合間に取材や打合せ、飲み(笑)。原稿は全体的に遅れ気味になってます。

ドラマ補遺-第九話

2006年 6月 10日

身分詐称詐欺(成りすまし詐欺)の回でした。報道されたものとしては、交通違反の罰金を支払いに来た人たちが騙されたケースが有名ですね。公的機関で制服が不要な場所ほど、騙しやすいといいます。「まさかこんなところで」という油断が招く詐欺です。裁判所で書記官のフリをして、競売情報をチェックしに来た人に「便宜を図ってあげます」と金を騙すなど、枚挙に暇がありません。銀行で帰り際の客に声をかけて「手続き上必要だ」と暗証番号を聞き出すといった事件もありました。詐欺は門構えを地でいくような例ですね。銀行は公的機関ではありませんが、それに準ずるイメージを持たれることももちろん影響しています。

黒崎は財団法人を利用して金をだまし取ります。財団法人の中には理事たちの財産保全のためや、脱税のためにあるのではないかと思えるものがたくさんあります。活動状況も不分明で民家に看板が下がっているような「何をやっているか分からない」財団も珍しくありません。財団法人の売買も裏では行われています。そんな状況をふまえた上で、副理事という肩書で釣るわけですね。時間制限があるため、細かな部分が端折られてしまったので、おおよそのトリックが伝わっているといいのですが。

成りすますのは詐欺の基本ではありますが、成りすますことが詐欺ではありません。詐欺師はいつも何かに化けるものだというのは間違いです。 自分が行っている詐欺で、何らかの身分を詐称する必要がある、詐称したほうがやりやすい時に行うものです。それはそうですよね、詐欺師だからといってみんながみんな演技力に長けているわけでもないですしね。もちろん演技力に自信のある詐欺師にとっては、身分詐称は有力な道具になっていますが、やりすぎると自分を見失ってしまうことになります。本当の自分が何者であったのか考え込んでしまうほど役に入り込んでしまうケースも希にあります。

ドラマはあと二回。黒崎が人生を賭けて追っている御木本がいよいよ登場してくるようです。原作とは違う、ドラマの完結感がどう出るのか楽しみです。

初体験

2006年 6月 5日

土曜日は月刊誌に四年以上連載している作品の第二部了を祝って打ち上げ。ずっとコラージュを担当してくれているKさんも交えて深夜まで。和食を堪能して、いつものコースでゴールデン街の「ぱいんつりー」へ。なかなかに賑わっていた。さて、そろそろ帰ろうと思ったら上着が見あたらない。残っていたのは別人の上着で、確かに色目は似ているものの、はっきりいって間違うようなものではない。財布も入っているので後日というわけにもいかず、あちこち電話をしてようやく持ち去った人間に連絡が取れた。四十分ぐらいは無駄にした感じだが、まあ、怒っても仕方がない。それにしても傘ぐらいならよくあることだが、上着を間違われたというのは初めてのことだ。余人ならいざしらず、俺のようにでかい人間の上着を間違えるというのは、なんとも不思議な感じがする。

日曜日は家で一日仕事。とりあえず思いついたアイデアのひとつをメール。そのまま月曜早朝まであれこれと原稿を書いたり消したりアイデアを練ったり直したりの繰り返し。なんか、疲れた。

ドラマ補遺-第八話

2006年 6月 2日

不動産詐欺の回でした。いやあ、絵作りが凄く良くて映画みたいでしたね。駐車場のシーンにしても、桂のシーンにしても、光と影の使い分けがなんとも。引きのシーンも好きです。

この原作を書いていた頃は耐震偽装騒ぎなどは無かったのですが、建築現場や建設会社を取材してきて手抜き設計や手抜き工事が多いことを知っていたので、なんとか作品にしたかったんです。ルポとしても書いていますが、物証・人証とも乏しくノンフィクションの場合は難しいのが現実でした。死者六人も出した事故の原因が手抜き設計だったケースなど、処罰されたのは県の土木課長だけ、そんな事件もありました。しかも行政処分だけです。そうした取材の結果を漫画という形で発表できて自分でも納得した話です。欠陥住宅販売会社の中には、被害者の抗議を受けていよいよ危なくなると、会社を偽装倒産させて逃げてしまうようなひどい連中がいます。代表者名を変え、社名を変えてのうのうと営業している例も珍しくありません。その背景には当座口座という会社にとって命綱ともいえる銀行取引において、銀行側が杜撰な調査で口座を開いているといった問題もあります。ドラマのように、告発して成功すればいいのですが、それが難しいのは日本中を騒がせる事件になっても、被害者たちが本当に報われるのか大いに疑問があるヒューザーを見れば分かりますよね。

裏金作りに不動産が使われることはバブルの頃に盛んに行われ、その後衰退しましたが、最近になってまた地価が高騰したことで行われるようになりました。絵画や宝石と同じく不動産も政治がらみの裏金作りには大いに役立っています。むろん、証券も。帳簿に載らない金をいかに作るか、そんなことに腐心している奴らもたくさんいるわけです。

白石の過去はかなり苦心しましたが、それなりの形になったと思っています。黒崎、神志名、白石…どの男たちも詐欺に人生を狂わされたわけですが、その後の人生は一見すると違って見えます。しかし、実は誰もが自らのけじめのために動いているんですね。格好よくも見えますが、私は男の哀しさだと感じています。今回に限って黒崎と白石は協力関係になりましたが、あくまでも両人ともに自らの目的達成にそれが一番いい道だからに過ぎず、黒崎のセリフにあったように相容れる関係ではありません。それは今後も続いていく漫画においても、決して揺るがないスタンスです。

ドラマは残すところあと三話。次回は身分詐称詐欺。クライマックスに向けて、人間ドラマがどうなっていくのか、とても楽しみです。


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